盤嶽の一生
剧情简介
『盤嶽の一生』は、嘘が大嫌いで、騙されても、騙されても己の信念を曲げない浪人・阿地川盤嶽の生き様をユーモアたっぷりに描く人情時代劇である。
原作の白井喬二は、大正~昭和初期にかけて大衆文学で人気を博した作家で、同作は昭和7年(1932年)3月~12月にかけて「オール讀物」にて連載された。
翌昭和8年(1933年)には、天才と謳われながらも、若くして戦地で没した山中貞雄が、大河内傳次郎の主演で映画化している。
この映画に、若き日に感銘を受けた市川崑が映像化を切望し、全10話から成るテレビシリーズとして実現したのが、本作である。
山中が撮った映画はフィルムが現存しておらず、本作では山中自身の手に依るシナリオからエピソードを拾うことで、オマージュが捧げられている。
市川自身が手掛けたのは、第1、2話で、大胆なワイプ、紅葉をバックにしての立ち回り、スローモー... (展开全部)
『盤嶽の一生』は、嘘が大嫌いで、騙されても、騙されても己の信念を曲げない浪人・阿地川盤嶽の生き様をユーモアたっぷりに描く人情時代劇である。
原作の白井喬二は、大正~昭和初期にかけて大衆文学で人気を博した作家で、同作は昭和7年(1932年)3月~12月にかけて「オール讀物」にて連載された。
翌昭和8年(1933年)には、天才と謳われながらも、若くして戦地で没した山中貞雄が、大河内傳次郎の主演で映画化している。
この映画に、若き日に感銘を受けた市川崑が映像化を切望し、全10話から成るテレビシリーズとして実現したのが、本作である。
山中が撮った映画はフィルムが現存しておらず、本作では山中自身の手に依るシナリオからエピソードを拾うことで、オマージュが捧げられている。
市川自身が手掛けたのは、第1、2話で、大胆なワイプ、紅葉をバックにしての立ち回り、スローモーションの活用など、随所に市川ならではの映像美学を観て取ることができる。
主人公・阿地川盤嶽を演じるのは役所広司。役所は、市川がオープンング&エンディング映像の演出並びに最終回のメガフォンを取ったテレビドラマ『刑事追う』(1996年)に主演しており、
その後、映画『どら平太』(2000年)を経て、本作で三度目の邂逅を果たす。市川とはこれが最後の作品となった。
なお、本作はワイドテレビ時代の到来を見越して、画角16:9のスーパー16mmで撮影されており、
ブラウン管テレビが主流であった当時は、4:3にトリミングされて放送された。